『TOEFLとTOEICの具体的な違いは3つ』
TOEFLとTOEICはどちらも、誰でも受けられる英語の試験です。
どちらも5文字で最初の3文字 ’Test Of English’ の頭文字がかぶっているので、似ていて紛らわしいですよね。
それぞれ違う目的のために受けるべきテストです。その3つの違いをお話ししましょう。
【その1:TOEFLは留学に必要!】

TOEFLは’Test Of English as a Foreign Language’ の略語で、海外の大学などで勉強したい、英語圏外からの留学生の英語力を知るためのテストです。
アメリカやカナダに留学する際には、ほとんど必ず必要になってきます。ヨーロッパ各国の英語圏以外の大学でも広く利用されています。
TOEFLを調べていると、いくつかの違う表記があるのを目にします。
TOEFL iBT、TOEFL PBT 、TOEFL ITPの3種類です。個人で現在受験するのはTOEFL iBTだけですから、TOEFL iBT=TOEFLと覚えてしまって大丈夫です。
それぞれの違いは以下のようになっています。
・TOEFL iBT:iBTはInternet-based Testの略で、試験会場でインターネットに接続したPCを使ってテストが行われます。
・TOEFL PBT :PBTはPaper-based Test の略で、ペーパー版のテストです。はるか昔に私が受けた時は、このペーパー版しかありませんでした。現在でもこちらを実施している国もあります。
・TOEFL ITP:ITPはInstitutional Test Programで、団体用のテストです。個人での申し込みはできません。
試験は読解、聞き取り、会話、作文の4項目からなり、それぞれ30点満点で120点満点となります。
有効期限は受験日から2年間となっていて、TOEFLはスコア制で合格不合格はありませんが、学校や学部によって求められるスコアが違います。
スコアが達していないと、基本的には希望する学校に入学することはできません。
【その2:TOEICは社会人のための英語試験】

TOEICは’Test Of English for International Communication’の略です。英語でどのくらいコミュニケーションを取れるかをみるための試験です。
主に企業などが従業員に求める英語力の目安として利用します。
TOEICは社会人用、就職活動に有利などと言われるのはそのためです。
TOEICには数種類のテストがあります。
・TOEIC S&W:Speaking & Writingの略で、会話と作文力をテストします。
・TOEIC L&R:Listing & Readingの略で、聞き取りと読解をテストします。
・TOEIC S:Speakingのみのテストです。
・TOEIC W:Writingのみのテストです。
・TOEIC Bridge Test:「TOEICブリッジテスト」は、TOEIC L&Rのビギナー版として作られました。
英語の勉強を始めたばかりの初心者向けで、テスト時間もL&Rの半分です。
就職活動用などに一番多く受験されているのはTOEIC L&Rです。企業によってはTOEIC S&Wを求めてくる会社もあります。
TOEICは合否制ではありません。
企業によって必要とされるスコアの目安が違います。
【その3:試験内容と費用の違い】
TOEFLは大学などの授業を英語で受けることを想定しているため、問題の内容もアカデミックな論文などが中心に出題されます。
試験時間は4〜4.5時間で、2017年9月時点での受験料は、7日前までの申し込みで235米ドルとなっています。
日本円で25000円ほどですね。
TOEICは仕事や日常生活で使う英語を想定しており、ビジネスシーンや観光シーンなど、日常生活を想定した幅広い問題が出題されます。
試験時間はTOEIC L&R が200分、SWが80分などとなっています。
受験料は以下のようになっています(税込価格)
TOEIC L&R:5725円(リピート割引:5092円)
TOEIC S&W:10260円
TOEIC S:6804円
TOEIC Bridge Test:4320円
『どちらを受けるか迷ったら決め手はこれ!』
まだ将来どうするかははっきり決めていないけれど、取り敢えず英語の資格として、どちらかの受験を考えていますか?そんな時はこちらを参考にしてみて下さい。
【少しでも留学を考えているならTOEFL】
次のうちどれか1つにでも当てはまるなら、TOEFLの勉強・受験をオススメします。
・学生でこれから海外の大学などに留学する可能性もある。
・これから就職予定だけれど、いずれキャリアアップのための留学も考えたい。
・もうすでに社会人として働いているけれど、キャリアアップのために海外でMBAを取りたいと思っている。
これからの人生で少しでも海外の学校に留学する可能性があるのなら、迷わずTOEFLの勉強をするべきです。
なぜかというと、TOEFLの方がアカデミックな分テスト内容が難しいからです。
TOEFLでアメリカの大学に編入するための平均的なスコアを取るには、約8,000語の語彙数が必要と言われています。
TOEICは日常会話を元に問題が作成されているため、必要な単語数は約4,000語と言われています。
【日本企業に就職して海外勤務してみたいならTOEIC】
次のうちどれか1つにでも当てはまるなら、TOEICの勉強・受験をオススメします。
・海外の学校で勉強することはないけれど、日常的に英語の勉強は続けていきたい。
・日本で就職して、チャンスがあれば海外勤務も経験してみたい。
・日本の会社で英語を使う仕事をしたい。
・趣味で英語の勉強を続けて、海外旅行に困らない程度の英語力をキープしたい。
【理系就職ならTOEFLもあり】
私の友人で、以前日本企業で研究職の面接を担当したことがある人います。
その人から聞いた話ですが、その会社ではTOEFLの勉強経験や受験経験があると、より実践に近い英語力があると判断されるそうです。
研究職の人は仕事で英語論文を読むことも多いそうです。
もし理系で研究職を目指すひとなら、英語の論文に読み慣れて、問題を解くことで要点を素早く判断する力を身につける意味でも、TOEFL用の勉強をした方が実践的だということです。
ただし日本の企業ではTOEFLはあまり知られていないので、英語力をアピールするならTOEICを受けてスコアを持っておく必要はあると言っていました。
『目的にそったテストを受けよう』
TOEFLもTOEICも英語の試験ですから、どちらの勉強をしていても両方の土台となる英語力は身に付きます。
将来の目標がはっきりしているなら、最初から目的に沿った方を受けましょう。
もし将来の目標がまだ明確はないけれど、どちらかを受けようと考えているなら、取りあえずはTOEFL用の勉強を始めるのもいいと思います。
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