『中国の旧正月』
日本で一番盛り上がり節目の年というと、1月1日のお正月ですよね。新年を迎えるときは、どの国でもたいていお祭り騒ぎになります。しかし、その新年を迎える日というのが世界中同じというわけではないのです。
アジアのいくつかの国では、お正月と呼ばれるイベントが2月にあります。さらに日本でお正月をお祝いするときよりも、人々は思い入れがあり盛大にお祝いします。
爆買いの時期と旧正月
数年前から、中国からの観光客が日本へ旅行にきて「爆買い」をしているというニュースが流れるようになりましたね。実は、その爆買いは旧正月が関係しているのです。
なぜ私たちが1月1日にお祝いをするかというと、「太陽暦」(グレゴリオ暦とも呼ばれている)をもとに生活をしているからです。
太陽暦には規則があり、
①西暦年が4で割り切れる年は「うるう年」とする。
②西暦年が100で割り切れる年は平年とする。
③西暦年が400で割り切れる年は「うるう年」とする。
このような決まりの中で生活をしています。
しかし、日本も明治6年まで使用していた太陽暦と逆の「太陰暦」は月の形の変化をもとにしているので、1年の長さが毎年変わってきてしますのです。
私たちは普段、学期制で学校に通っていたり、月給をもらっていたりするので「太陰暦」だとその決まりが狂ってしまうのですね。中国といくつかのアジア圏の国はその太陰暦をもとにお正月をお祝いするため、日本とはお正月に日にちがずれて2月にお祝いするのです。
そのため、中国では大型の連休があり、そのお休みを利用して日本に来て買い物を好きなだけ楽しむため「爆買い」という現象が起きるそうです。

『どんなものを食べるの?』
日本では、おせちやお雑煮などを食べるのが伝統的なお正月の祝い方ですね。中国ではどんなものを食べるのかをご紹介します。
大晦日に食べる食事は「年夜飯」と呼ばれていて、普段よりも豪華な食べ物を親戚一同で食べるのが恒例です。
中国は広いので場所によって、伝統が違うと言われていますが、地方では大量の手作りの料理を、上海などの都会では高級レストランやホテルのレストランを予約して豪華な料理を食べることも増えて来ているそうです。
お餅
中国人の友達が作ってくれたもので、私が一番好きだったものは「大根餅」でした。日本では、白いお餅・よもぎ・小豆などが主流ですが中国では大根餅が一番人気です。私は見たことがないのですが、金色や銀色のお餅を作ることもあるそうで、とにかく派手にお祝いをするのが目的です。
餃子
中華料理を食べにいくと、必ずといって良いほど餃子を頼んでしまいます。日本で餃子といえば、カリカリの皮にたっぷり身の入った餃子ですが、中国では一般的に水餃子のほうがよく食べられます。
『お年玉(紅包)』
日本では、新年になると親戚のお家を訪ねて子供達はお年玉をもらうのを心待ちにしていますね。中国でもその風習があります。大人たちは、真っ赤な封筒にお金をいれて子供たちに渡します。
一人っ子政策のため、ほとんどの子供は一人っ子です。そうすると、一人の子供が沢山の親戚からお金をもらうことになるので、総額は10万円~15万円ほどにもなるそうです。
『伝統的な習わしは?』
日本人は初詣のために、神社へいきますが中国の旧正月の場合、人々は寺院へ向かいます。新しい年になると、新しい目標やそれに向けての悩みなど、考えなくてはならないことがたくさんあります。
心の迷いが出てくる人がとても多いので、そういう人たちは寺院で神様の恵みをもらい、心も体も休めるようにしています。日本の初詣のように、三が日のあいだに行くのが一番良いとされています。
日本では、1月3日までのことを「三が日」1月15日までのことを「松の内」と呼んだりしますが、中国の旧正月でもそのような決まりがあります。
小年
旧暦でいう12月の23日、24日、25日のことを小年と呼びます。この期間には、「祭竃」という行事が行われ、この日にかまどを綺麗に掃除したり、お供え物などをしてかまどに神様に感謝をささげるのです。そして、日本でいう大掃除もこの期間にします。
除夕
新年の一日前、大晦日のことです。中国では昔からの伝統で、魔除けのために家の周りで爆竹をならして、にぎやかに騒ぎます。年があけても爆竹の音は続き、まるで花火大会をみているかのような盛り上がりです。
大年初一
日本で言う三が日と同じ期間です。年があけると、お祭り騒ぎは続きますが親戚の家を挨拶をしながら回ります。このときに子供達は、お年玉をもらうのです。
正月初五
次の日は、日本だと松の内の期間に入りますが旧正月の場合は「財神」というお金の神様が地上にやってくる日と言われていて、本物の花火や爆竹などで大晦日の夜よりも盛り上げて、神様をお迎えするのです。
元宵節
1月15日は、日本でいう松の内の最後の日ですね。この日には、春が来たということをお祝いします。この行事が旧正月さいごの行事となり、家族みんなで提灯を飾りながらそのちかくで白玉のようなお餅を食べます。

『中国の伝統の衣装、漢服』
中国といえばチャイナ服のイメージがありますよね。私も、中国人の友達に旧正月のときの写真を見せてもらったときに、私のイメージするチャイナドレスとは違うことに驚いた覚えがあります。
実は、チャイナ服を着るようになった時代よりももっと前の黄帝が即位してから17世紀中期ころまで、華夏の儀礼文化として漢民族の衣装「漢服」をきていたのです。
その後、漢服を着る人はほとんどいなくなってしまいましたが、2002年に若者を中心に漢服の愛好家が増えはじめたのです。最近では、一つのファッショントレンドとして漢服を結婚式に着たり、町で買い物をしたり旅行に着ていったりする人も増えているようです。
漢服は着物とチャイナ服の間のような衣装で、生地がとても綺麗です。もし見る機会があれば、ぜひ近くでご覧になってみてください。
中国での旧正月についてご紹介しました。いかがでしたか?
こうして見ると、日本のお正月の似ている部分がたくさんあり、単に太陽暦なのか太陰暦なのかの違いでお正月をお祝いする日にちがずれているだけのような気がしますね。
中国はすぐお隣の国なので、もし行く機会があれば旧正月を体験してみてはいかがでしょうか?中国人はこの旧正月に重きを置いていて、普段では見られないほどの盛り上がりのため、楽しい思い出がつくれるはずです。
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