『冬にやってくる感謝祭っていつあるの?』
アメリカの感謝祭は、毎年11月の第4木曜日と決まっている祝日です。サンクスギビングデーとも呼ばれています。
ほとんどの州では翌日金曜日もお休みになり、4連休となります。感謝祭は家族や親せきと過ごすイベントです。ですから日本のお盆やお正月のように、感謝祭前後の交通機関はとても混雑します。
『アメリカ人は感謝祭で何をするの??』
現代の感謝祭は、家族や親せきが集まって、次のような形でお祝いするのが一般的です。
・感謝祭当日の木曜日、七面鳥やカボチャパイなどの感謝祭料理を食べる。
・家族で感謝祭パレードを見に行く。
・アメフトの試合をみんなで見る。
気が早い家ではクリスマスの飾りが出ていることがありますが、基本的にはハロウィンやクリスマスのような飾り付けはありません。
家族や親せき、親しい友人などと食事を共にすることが、感謝祭のお祝いのメインイベントです。
アメリカでは11月の感謝祭の後、同じく家族で祝う12月クリスマスも控えています。
既婚の友人は、毎年自分の実家と旦那さまの実家に、感謝祭とクリスマスを交互に訪ねないといけないので大変だと言っていました。
日本でも似たような悩みをよく耳にしますよね。

『感謝祭では食べれる料理がいっぱいある!』
感謝祭で一番大切なのはお料理です。家庭によっていろいろ変わりますが、基本的には七面鳥、スタッフィングと呼ばれる詰め物、ソース、付け合わせの野菜とデザートのパイが定番です。
・七面鳥
丸ごとオーブンで焼いた七面鳥は、感謝祭のテーブルのど真ん中を飾るメイン料理です。標準で7〜10キロあるそうですよ。
1回の食事では絶対に食べきれないので、その後しばらくは食べ続けなくてはいけないそうです。
おせち料理みたいですよね。アメリカのお料理サイトを見ると、残り物の七面鳥を食べきるためのレシピがたくさん出ています。
サンドイッチ、シチュー、サラダやオムレツなどに形を変えてしばらく続くそうです。
七面鳥は大体冷凍で買って、それを冷蔵庫で1日以上かけて解凍します。冷蔵庫にスペースがなかったり、解凍する時間がなかった時は、お風呂の中で解凍するそうですよ。
留学していた友人が、ホストファミリーの家でその場面を実際見たそうです。なかなかシュールな光景だったと言っていました。
学生のころテキサス出身の友人がいたのですが、彼の実家ではターダッキンと言う、ターキー(七面鳥)の中にダック(鴨)、ダックの中にチキン(鶏)を詰めた料理を、感謝祭に食べると言っていました。
美味しそうですが、準備する様子は見たくない気がします。
・スタッフィング
七面鳥の中に詰める詰め物です。家庭によってレシピが色々あるようですが、一般的にパン、ハーブや柑橘類などを合わせて詰めるそうです。
七面鳥は結構さっぱりしたお肉なので、私はレモンやオレンジを効かせたスタッフィングが好きです。
中国系アメリカ人の友人のお母さんは、アジアっぽいハーブを使ってひと味違うスタッフィングを作っていました。
・ソース
七面鳥やスタッフィングにかけるソースは、クランベリーソースとグレビーソースが一般的です。クランベリーソースはジャムのように甘く、肉汁から作るグレビーソースは塩気が効いています。どちらも七面鳥にはよく合うので、両方欲しくなりますよ。
・付け合わせ
いろいろな温野菜が付け合わせとして出されます。ニンジン、グリーンピースやヤムというポテトが一般的です。
日本で芽キャベツと言っているブラッセルスプラウトやパースニップという根野菜も、大人には人気です。でもほとんどの子供は嫌いみたいですね、癖のある野菜です。
・デザート
秋の感謝祭のデザートは、パンプキンパイやアップルパイが定番です。パンプキンパイはねっとりしたフィリングで、見た目の色合いは悪いですが、濃厚カボチャプリンがパイになったような食感で美味しいです。それにホイップクリームをたっぷりのせて食べるともっとおいしいくなります。

『アメリカで有名な感謝祭イベント3選!』
毎年の感謝祭の頃、必ず行われるイベントがこちらです。
・七面鳥の恩赦(おんしゃ):感謝祭の時は多くの七面鳥が食卓に上ります。アメリカの大統領が、その中の2羽に恩赦(おんしゃ)を与えて助ける、という行事があります。実に毎年4600万羽もの七面鳥が、感謝祭の時に食されるそうですよ。
・アメリカンフットボール:NFLと略されるアメリカンフットボールは、アメリカでは野球と並ぶ人気スポーツです。感謝祭の時期はシーズンの真っ只中で、家族で集まって応援するのも伝統の1つです。
・パレード:大きな街では、山車、チアリーディングやブラスバンドなどで構成された、感謝祭のパレードが行われます。
アメリカ人の友人は、子供のころ毎年パレードを見に行って、赤・青・白のアメリカ国旗カラーの綿あめを食べていたそうです。七面鳥は嫌いだったので、綿あめが感謝祭の思い出の味だったそうですよ。

『そもそも感謝祭ってどうしてできたの?』
感謝祭は1621年に始まったと言われています。イギリスからアメリカに渡った移民たちは、食べ物の確保に困っていたところを、ネイティブアメリカンに助けてもらいました。
それに感謝して、食べ物が収穫できるようになった時、お礼の宴を開きました。その時に七面鳥やカボチャを食べたのが、始まりだと言われています。当時のアメリカには野生の七面鳥が多くいて、手に入りやすい食料だったそうです。
私は感謝祭と聞くと、子供のころに読んだ『大草原の小さな家』という本のシリーズを思い出します。アメリカ開拓時代の物語で、その頃の食べ物の様子がとてもおいしそうに描かれています。
本の中で出てきたクランベリーソースを初めて食べた時は、とても感動したのを覚えています。本で読んだ感謝祭のお祭りで、カボチャの重量当てクイズやパイのコンテストがあったりというのが、私の中でのアメリカの感謝祭のイメージです。
『日本でも感謝祭の食事をしてみよう』
いかがでしたか?宗教色が強くない感謝祭は、誰でもお祝いしやすい祝日です。
家族や友人が集まるパーティーとして、日本でもやってみたくなりませんか?七面鳥は日本でも手に入ります。でも10キロの米袋より少し小さいだけの七面鳥を入れるオーブン、なかなか家にはありませんよね。
モモ肉だけでも手に入るようですが、感謝祭っぽい雰囲気を出すなら、鶏の丸焼きの方がオススメです。クランベリーソースは、輸入食品が売っているお店などで、缶入りで売っています。
すごく甘いので持て余してしまうかもしれません。ハムやチーズ、特にカマンベールチーズなどと合うので、サンドイッチに入れてもおいしいですよ。
手に入らない場合は、ベリー系のジャムを元にソースを作ってみましょう。パンプキンパイは、日本の甘いカボチャで作るととてもおいしくできます。
全く同じお料理を作らなくても、みんなで集まって楽しく食事するだけでステキな感謝祭の1日になりますよ。
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