『ホームステイ中のカルチャーショック』
1. お昼のお弁当がケーキ!
2. 私、病人なのに!
3. 「日本は発展途上国だから…」?
ここでは、私がホームステイ中に体験した上記のカルチャーショックを紹介します。
私がホームステイをしていた時は、午前中はスタディーセンターと言われる場所で勉強し、午後はフィールドワークに出かけるというプログラムが立てられていました。
そんな中で、様々なカルチャーショックを経験しました。
ここでは、ホストファミリーとのあいだで経験したカルチャーショックと、午後のフィールドワークで訪れた高校でのカルチャーショックを紹介します。

『ホームステイ中のカルチャーショック(その1):お昼のお弁当がケーキ!』
これは、高校1年生の時にカナダで1ヵ月間ホームステイをした時の話です。
夜、ホストマザーが大きなチョコレートケーキを焼いていました。とてもいい匂いがして、美味しそうだと思いました。
しかし、夜の10時ごろに「食べてみる?」と言われ、さすがに夜遅いし、でもせっかく声をかけてもらったのに「いらない」とも言えず、薄くスライスした部分をもらうことにしたのです。
少し口に入れただけで、とても食べられるものではないと感じました。
なぜかというと、使われている砂糖の量がとにかく多く、口の中でシャリシャリするのです。
チョコレートを食べている感覚は全然なく、まるで口の中いっぱいに砂糖を入れ、一気に噛み砕いたような感じがしました。
薄い一切れで本当に良かったと思いました。
もちろん、このケーキを作った本人であるホストマザーと、大きな一切れを食べていたホストシスターからは「おいしいでしょう?」と満面の笑みで聞かれましたが、私は正直な答えを返すことができませんでした。
とりあえずもらったケーキを全部口に入れ、無理やり笑顔を作り、「おいしい」と答えました。
すると翌日の朝、ホストマザーから「お昼ご飯のデザートに、昨日焼いたケーキを入れてあげようか?」と提案がありました。
あんなケーキをデザートに入れられたら絶対に食べられないと思い、一生懸命言い訳を考えて、「サンドイッチだけでお腹がいっぱいになるから、デザートはいらない」と答えたのです。
ホストマザーは少々がっかりしたようでしたが、「それなら仕方がないね」と納得してくれました。
しかし翌日、事件を送りました。
朝ホストマザーから「あなたはサンドイッチでお腹がいっぱいになると言っていたから、今日はケーキだけをお昼ご飯に入れといたからね」と言われたのです。
「げ!」思いながらお弁当箱を開けると、そこには見覚えのあるケーキがドンっと入っていました。
仕方がないのでそのケーキをスタディーセンターに持っていき、お昼ご飯の時間にはケーキに興味を持った同級生に一口ずつ食べてもらいました。
皆、「これは食べられないね」「私のお弁当、分けてあげるから!」という反応をし、日本からの引率の先生さえも苦笑いでした。
そして私は、甘すぎて食べられないものを「おいしい」と言ってしまった自分の安易さを反省しました。
作ってくれた人に対して、「まずい」「いらない」ということは大変な失礼だと思っています。しかし、どうしても食べられないものに対し、「おいしい」とウソをつく必要もないのです。

『ホームステイ中のカルチャーショック(その2):私、病人なのに!』
これは中学3年生の時、オーストラリアに2週間ホームステイをした時の話です。
オーストラリア南半球なので、日本とは季節が真逆になります。私がホームステイをしたのは8月でしたので、オーストラリアでは真冬でした。
しかし、私が行った地域の真冬は、確かに朝晩は寒いけれど昼間は海水浴さえできてしまうような気候でした。そのため、気候の変化に体がついていかず、私は風邪をひいてしまったのです。
その日は朝から調子が悪く、無理矢理スタディーセンターに行ったものの、途中でめまいがしたので家に帰ることになりました。
海外旅行保険も持っていましたし、念のために病院に行った方が良いということで、ホストマザーとコーディネーターの先生と 3 人で病院に向かったのです。
病院を出てから整備されていない道路を車で通り、ひどく頭痛がしたことを覚えています。
家に帰った後はしばらく寝ていました。私が滞在していた地域はオーストラリアでも田舎の方で、英語も日本で聞き慣れたアメリカ英語とは全然違い、そもそも英語がよくわからないという状態でした。
そんなところで風邪をひいてしまい、私はすっかり気弱になっていたのです。
しばらく寝た後、ホストマザーに「ゆで卵のサンドイッチができたよ!」と起こされました。日本なら、体調が悪い時はお粥(おかゆ)など柔らかいものが食べたくなりますよね。
しかし、精神的に弱っており、風邪をひいて体がつらい時に笑顔で卵サンドを出され、本当にどうしたら良いのか分からなくなりました。
私はもともとサンドイッチといえばゆで卵というほど、ゆで卵のサンドイッチは大好きです。
しかし、この時はどういう反応したらよいのかわからず、その時に食べたサンドイッチの味や、どこの部屋でどうやってサンドイッチを食べたかさえ、全然覚えていません。
サンドイッチを食べた後は、またしばらく寝かされました。1人になりたかったし、ちょうどいいと思っていました。
しかし夕方になり、学校からホストシスターとホストブラザーが帰宅し、さらに仕事からホストファーザーが帰ってきた後、今度は「野生のカンガルーを見に行こう!」と起こされました。
確かにオーストラリアと言えばカンガルーですし、野生のカンガルーを見たいという気持ちはありました。
また、2週間のホームステイで、その時既に1週間経っていましたから、ホストファミリーは「今日を逃したらチャンスがない」と考えてくれていたのかもしれません。
ただやはりこれもサンドイッチと同じで、心身ともに弱っているときのドライブは決してそこまで面白いものではありませんでした。確かに野生のカンガルーは見られたし、その時に撮った写真もあります。
その写真を見るたびに思い出すことは「あのときつらかったなぁ」ということばかりで、今となっては良い思い出なのですが、当時は大変でした。

『ホームステイ中のカルチャーショック(その3):「日本は発展途上国だから」…?』
これは、高校1年生の時にカナダでのホームステイ中に滞在した、高校での出来事です。私たちは現地の高校を訪問し、そこの高校生と交流をしていました。
まだまだ私たちの英語は現地の高校生とまともに交流できるようなレベルではありませんでしたが、現地の高校生は私たちを温かく迎えてくれました。
しかし、マンツーマンで話をしていたときに、女子高生から面白いことを言われました。彼女は「日本って、右ハンドルで道路の左側を走るんでしょう?」と言ってきたのです。確かにその通りですから「そうだよ」と答えました。
すると彼女は「そうだよね、日本で発展途上国だもんね」と笑顔で言いました。彼女は、先進国は左ハンドルで道路の右側を走り、発展途上国は右ハンドルで道路の左側を走ると思っていたようです。とんでもなく都合の良い解釈です。
当時の私の英語力は彼女に太刀打ちできるようなものではありませんでしたが、この誤解には本当に驚きました。
そして気がついたら「イギリスやオーストラリア、ニュージーランドも右ハンドルだし、道路の左側を走る」「日本以外のアジアの多くの国は、左ハンドルで道路の右側を走る」と説明をしていました。
彼女は本当に知らなかったようで「え、そうなんだ、ごめんなさい」と言っていました。確かに、日本にはトヨタや日産など自動車産業が盛んであり、アメリカやカナダでも日本の車が多く走っています。
それなのにもかかわらず、なぜか日本は武士や忍者のイメージが強いようで、「日本には車はあるの?」と聞かれることさえ珍しくはないと言われています。どうやら彼女も、同じようなイメージで日本を見ていたようです。
世界的に見て日本は経済大国なのですが、本当に日本を発展途上国だと考えている人がいるのだと知り、かなり驚きました。
もちろん、彼女には悪気があったわけではありませんし、その後は仲良く話をしました。
しかし、外国に対する思い込みというのは恐ろしいものだと学ぶきっかけにもなりました。

1. お昼のお弁当がケーキ!
2. 私、病人なのに!
3. 「日本は発展途上国だから…」?
いかがでしょうか。ホームステイ中は、ホストファミリーや周りの人との交流の中で、つい「は?」と思ってしまうことがたくさんあります。
しかし、これらはホームステイをしなければ絶対に経験できないようなことなのです。
ホームステイ中にカルチャーショックを経験したら、むしろ楽しんでしまいましょう。確かになかなか受け入れられない文化もあるかもしれません。
しかし、「そういう考え方もあるんだ」「日本ではありえない」などと割り切るつもりでいると、意外に受け入れられることができます。
ホームステイというのは、10代の特権です。大人になってからは、留学は可能でもホームステイはなかなかできるものではありません。ホームステイの予定がある人は、今しかできないことだと思い、ホームステイを存分に楽しんでくださいね!
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