ヨーロッパでは常識!12月25日以外のクリスマスの存在
ウクライナのクリスマスは12月25日じゃない?
先日、ウクライナ人の友達とクリスマスの過ごし方について話していたときに、『私たちのカレンダーではクリスマスは12月25日じゃないから』という、衝撃的な事実を聞かされました。
クリスマスといえば、12月25日。日本では24日のイブにケンタッキーといちごの乗ったケーキでお祝いするのが典型的な家族のクリスマスではないでしょうか?
しかも、『私たちのカレンダーって一体?』と混乱してしまったのですが、私のポーランド人の夫や他のヨーロッパの国出身の友達はみんな、そんなことは常識だと思っていたようで大恥をかいてしまいました。
習慣の違いを知ってこう!
中央・東ヨーロッパの国々の出身者は、自国を離れて西洋化した生活を送っている若い世代でも、お財布の中にイエス・キリストや聖母マリアの絵を持ち歩いていたり、キリスト教の伝統を大切にしている人が意外と多いことに驚きます。
そんな人たちに、当然クリスマスは12月25日、という話し方をしては、気まずい雰囲気になってしまうかもしれません。
中央・東ヨーロッパやロシアの出身の友達や同僚がいる方は、ぜひ『クリスマスの習慣が日本とは違うかもしれない』ということを知っておくことをお勧めします。
私のように無知をさらけ出して恥ずかしい思いをせずにすみますし、あらかじめ知っていれば、習慣の違いについて話題を振って話を盛り上げることもできますよね!

12月25日以外のクリスマスは3回もあった!
ユリウス暦では1月7日がクリスマス
グレゴリオ暦とユリウス暦って聞いたことがありますか?
1年を365日とする現在のカレンダーがグレゴリオ暦で、グレゴリオ暦が導入される以前に使われていた旧暦がユリウス暦です。こちらは1年を365.25日で計算しています。
ユリウス暦はグレゴリオ暦と13日ずれているので、ユリウス暦を採用しているロシア正教会などの東方正教会(ギリシャ正教とも呼ばれています)の国々では12月25日から13日後の1月7日がクリスマスにあたります。クリスマスイブは1月6日です。
ウクライナ正教会もユリウス暦を採用しているので、*ウクライナでは1月7日にクリスマス*をお祝いします。
他にも1月7日がクリスマスな国には、ロシア、ベラルーシ、セルビア、モンテネグロ、ボスニアなどがあります。
元祖クリスマスは1月6日
アルメニア初めてキリスト教を国教とした国です。
クリスマスはキリストの誕生日と一般的に言っていますが、実はキリストの誕生日は『不明』なんです。
原始キリスト教では、1月6日をとりあえずのキリスト生誕日として祝っていました。
その後ローマ帝国でもキリスト教が国教になりましたが、人々は異教時代の冬至の祭りを祝い続けていました。その冬至の祭りとキリストの誕生日のお祝いを一緒にするようになり、12月25日がクリスマスとなったそうです。
アルメニアは当時すでにローマ教会と分離していたため、1月6日という日付を守り続けました。
パレスチナのアルメニア人は1月19日
パレスチナに住むアルメニア正教会のアルメニア人は、ユリウス暦を採用して、アルメニアの1月6日から13日後の、1月19日にクリスマスを祝います。

サンタクリースが年に2回来る国がある?
ポーランド式でクリスマスをする我が家もそうなのですが、子供達はクリスマスプレゼントを2回もらいます。
クリスマスと、*『12月6日の聖ニコラウスの日』*です。
聖ニコラウスはサンタクロースのモデルと言われる司祭で、子供や貧しい人々に尽くしたことで有名です。
本来クリスマスのプレゼントはクリスマスではなく、12月6日にもらうもので、今でもドイツ、オランダ、スイス、ポーランドなどの国では、子供達は12月6日の朝枕元にプレゼントが置かれているという習慣が続いています。
2回もプレゼントがもらえるなんて羨ましいですね!

クリスマスディナーに招かれたら?
国によってクリスマスイブに食べるものが違いますので、ディナーにお友達を招く場合や、あなたが招かれた場合はちょっと注意しましょう。
クリスマスイブにお肉は食べない
クリスマスイブのディナーといえば、日本では言わずと知れたケンタッキーフライドチキン、海外ではターキー(七面鳥の丸焼き)というイメージが強くて、イブは本来お肉料理を食べない日だとご存知の方は少ないのではないでしょうか?
これは、主にカトリックの国でですが、 11月14日から12月24日までの40日間は断食期間となっているので、24日まではお肉は食べられない、もしくは、クリスマスの前日にお清めをするためにお肉を食べないという習慣があります。
クリスマスイブのメインは魚料理
イタリアなどのカトリック国や、中東欧の国々では、お肉の代わりに魚料理がメインになります。
カトリック国ポーランドでは、鯉(こい)のフライや、うなぎの燻製、ビートルートで作ったバルシチという赤いスープ、ピロギという餃子のような食べ物を中心に、12種類の料理を準備します。
そして、ディナー出席者の人数にプラス1人分の食器をテーブルにセットするのが習わしです。これは、クリスマスイブに家に帰りつけなかった旅人が突然ドアをノックしてきても、招きれて一緒に食事ができるようにという意味です。なんだかクリスマスらしい習慣で心が温まりますよね!
クリスマスディナーには正装で
クリスマスイブ、もしくはクリスマスディナーは、家族でも正装してテーブルにつきます。義父なんて、毎年結婚式にでも参加するかのようなスーツ姿で登場します。
昔、ポーランド人、ウクライナ人のハウスメイトとクリスマスイブのパーティーをしたのですが、自宅だからと普段着でいたところ、『まだ着替えてないの?』と、ばっちり正装したハウスメイトたちに呆れられたことがあります。

文化の理解は友達作りのチャンス!
私たちが思い描くクリスマスとはちょっと違う習慣、なんだか新鮮でいいですよね。
細かい内容までは把握するのは大変ですが、とりあえず『海外のクリスマス=アメリカのクリスマス』のような固定概念を取り払ってみましょう。
もっと伝統的にクリスマスを祝う国がたくさんあるということを知るだけでも、外国人の友達や同僚の文化への理解が深まりますし、会話にも役立つこと間違いなしです。
日本人にはあまり馴染みがない文化なだけに、興味を持ってくれているという事実だけで、相手もあなたを好意的に思ってくれるかもしれませんよ!
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