『ステップ式に上達する自己紹介の秘訣』
海外のお客様とのビジネスで避けられないのが「英語での自己紹介」。この自己紹介が苦手と感じる人は多いのではないでしょうか。
私自身、初めての英語会議はとても緊張しました。しかし、自己紹介はたった3つのステップをおさえるだけで上手になります。この記事では、次の3つのステップにしたがって、私が英語での自己紹介を攻略した方法を紹介します。
ステップ1—日本語で「自己紹介」を思い出す!
ステップ2—「名前」と「所属」はシンプルにまとめておく!
ステップ3—世間話は「質問」がベース!
『会議の導入部分、それが「自己紹介」』
「明日アメリカのお客様と会議があるから、出席してくれ。」突然上司からそう声をかけられたらどのように感じますか?
「どんなお客様なのかな、楽しみだな。」と思えるでしょうか。
英語を上手く話せない格好悪い自分を想像してしまい、気が重くなってしまうのではないでしょうか。
「会議」の内容に集中することが正しいと頭ではわかっていても、スムーズに英語が話せるか不安をもったままでは全く本番の会議に集中できなくなってしまいます。

本番である会議に集中するためには、「導入部分」への対策を完璧にして不安を少なくする必要があります。この「導入部分」が「英語での自己紹介」です。
それでは、「英語での自己紹介は得意ですか?」と質問されたらどのように答えますか?
「得意です!」と自信をもって答えられるならば、ここまで読んでいないでしょう。
では「苦手」と感じるならば、なぜ苦手なのでしょうか。
英語での自己紹介が苦手でも、大抵のビジネスパーソンは相手が日本人であれば自己紹介を難なくこなしています。
英語での自己紹介になったとたん言葉が上手く口にだせなくなってしまうのは、実は英語力の問題ではありません。
そもそも「自己紹介」についての認識がまちがっていることに原因があるのです。
これからお伝えする3つのステップで、英語の自己紹介を攻略しましょう。
『ステップ1—日本語で「自己紹介」を思い出す』
日本語での自己紹介を思い出す作業は一見遠まわりに見えますが、実は一番の近道です。
なぜなら、英語の自己紹介とは日本語の自己紹介の内容とまったく同じでかまわないからです。
ふだん私たちが無意識に日本語でおこなっている自己紹介の組み立てを見つめなおし、洗練されたシナリオをつくっておけば、あとはシナリオを英語に変換するだけなのです。
それでは、会議に至るまでの会話をグループ分けしてみましょう。
一般的には、会議に向けて以下の順番で会話が進むのではないでしょうか。
①自分の名前、所属を伝える
②世間話
③会議
それでは、「自己紹介」は上記①から㈫のいずれを指しますか。①だと感じるならば、それは間違いです。
名前と所属を伝えるための英文だけを暗記して、会議にのぞんでいたことが失敗の原因なのです。②の対策をたてたか、そうでないかで自己紹介のレベルは全くことなるものになります。
時間に余裕がない場合は②を省くこともあるかもしれませんが、たいていの場合は会議を開催するまでのクッション剤として㈪を数分はさむはずです。①と②は必ずセット、と覚えておくといいでしょう。
相手が海外からのお客様の場合でも、自己紹介には世間話が含まれることを認識しているだけであなたの自己紹介は確実にレベルアップするはずです。
『ステップ2—「名前」と「所属」はシンプルにまとめておく』
自己紹介に世間話が含まれることは認識できたと思いますので、自己紹介のプロセスを細かくわけて、具体的にどのようなことを話すべきかを紹介します。
まずは自分の名前と所属の紹介例ですが、以下の英文を覚えておけば十分です。
・My name is Taro Tanaka.(私の名前は田中太郎です。)
・I am Taro Tanaka.(私は田中太郎です。)
そして所属を伝える時は、文を区切らず、名前を伝えたあとに続けて紹介して問題ありません。
・I am Taro Tanaka of the Export department.(私は輸出部の田中太郎です。)
名前と所属の紹介は、シンプルであればあるほど良いと覚えておきましょう。
なぜなら、このタイミングで集中すべきは文章の中身ではないからです。相手の目を見て自信を持ち自分のことを伝え、相手に好印象をあたえることの方が何倍も重要です。
下手に複雑で長い英文を準備していくと、暗記内容をただしく伝えることに意識を集中せざるをえません。
よって、シンプルな方が良いのです。ビジネスの場では、上記に紹介した程度の英文で必要事項は十分につたわります。
『ステップ3—世間話は「質問」がベース』
自分の名前と所属を伝えおわったら、次は「世間話」にうつります。
世間話は英語が苦手な自分にはハードルが高いと思いこんでしまいがちです。
しかし、自己紹介に含まれる世間話には攻略法があります。この攻略法を学んでおけば、けっして世間話は怖いものではありません。
世間話を成功させるキーワードは「質問」であることを覚えるといいです。
相手への「質問」は会話をはじめるための最もお手軽な方法です。
世間話とは、お笑い芸人の前説のように面白い場を演出することではありません。相手を不快にさせない程度の軽いテーマで数分会話をつづければよいだけなのです。
そして、その会話をスムーズにすすめるためのアイテムが「質問」なのです。
それでは、相手を不快にさせない程度の軽いテーマについて考えてみましょう。
実は、自己紹介の場にふさわしく、話しやすいテーマが2つあります。
それは「フライト」と「日本観光」です。
これに沿った質問を覚えておき相手に投げかけるという攻略法をマスターするだけで、「こなれた」感のある世間話をスタートできるでしょう。
「自分から「フライト」と「日本観光」の質問をしてみましょう』
自分から話し始めたほうが会話の主導権をにぎれるため、その後の会話が圧倒的に楽になります。
勇気をだして、質問を投げかけてみましょう。ビジネスの場でよく耳にする質問例を紹介しますので、ぜひ覚えておいたほうがいいですね。
「フライト」は初心者におすすめのテーマです。なぜなら会話のパターンが簡単であり、聞き取りにあまり苦労せず会話をすすめることができるからです。
・When did you arrive in Japan? (いつ日本に到着しましたか?)

タイトなスケジュールで出張するビジネスパーソンが多いため、会議の前日に到着したといった答えが多いでしょう。
昨日はよく眠れましたか?などと質問を続け、相手の体調を気遣うと好印象をあたえることができます。
あまりないパターンですが、長期出張で1ヵ月前から日本に滞在しているといった答えが返ってきたら、1ヵ月まえのフライトの話をつづけるのも変に思われますので、次に紹介する「観光」へと話題をうつすのがよいでしょう。
「日本観光」も話しやすいテーマのひとつです。
内容が日本についてなので会話を広げやすく、おすすめの観光スポットを紹介すれば相手は興味をもって話をきいてくれます。
・Is this your first time in Japan? (日本に来るのは初めてですか?)

まずは来日経験から質問しましょう。初めての来日である場合、「Welcome.」(歓迎します。)とあいづちを打って初来日への感謝をつたえると相手は喜びます。
続けて、日本で訪れたい観光スポットがあるか質問してみましょう。もし、何度も来日しているビジネスパーソンが相手である場合は、日本食は好きかなどと尋ねてみると会話がひろがりますので試してみてください。
『慣れれば早い世間話のたったの数分』
5往復ほど質問のやりとりが終わったら、会議のスタートは。世間話はあくまで会議の場をあたためるためのクッションですので、だいたい5分ほどで終わります。
質問を5往復ほどつづければ、自然とそれくらいの時間はすぎています。進行役から会議をはじめると言われたら会話を切りあげ、着席しましょう。
一度この世間話の成功を経験すれば、また同じような自己紹介の機会があったとしてもよりリラックスして臨むことができます。
「はじめまして」の自己紹介は同じ相手に1回しかすることはありません。1回の成功を経験しておけば、別の相手に同じ自己紹介のパターンを使いまわすことができるのです。
自分の「自己紹介の型」を早くつかみ、リラックスして会議に参加しましょう。
『「自己紹介」のレベルアップで「できる」ビジネスパーソンへ』
英語の自己紹介にそなえる場合は、自分の名前や所属を伝えるだけでなく、会議までのクッション剤としての世間話も自己紹介のうちであると認識して、心構えをしておく必要があります。
名前や所属をつたえてすぐに「では会議を始めます」と切りだすのは、とても唐突な印象をあたえてしまいます。
会議で活発にコミュニケーションをとるためには場をあたためておくことが大切であり、そのために最大の効果をもたらすのが世間話なのです。
世間話を攻略するための質問をおぼえて会話が切りだせるようになれば、自己紹介は確実にステップアップします。
自己紹介でのミスをなくすことで、海外取引先との会議で活躍できるようになりますからね!
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