『ブラックフライデーとは何か』
1. ブラックフライデーの成り立ち
2. なぜブラックなのか?
3. 他の国への影響
ここでは、アメリカのブラックフライデーについてお話ししたいと思います。
ブラックフライデーがいつか知っていますか?
アメリカには11月第4木曜日がサンクスギビングと言われる感謝祭の日です。
日本の勤労感謝の日とは少々異なり、サンクスギビングは本来、アメリカに初めて足を踏み入れたピューリタンたちに夜宗教的なお祭りの日です。
ブラックフライデーとは、その翌日の11月第4金曜日を指します。
アメリカでは12月1日からクリスマス商戦が始まるため、その前に在庫を一掃してしまおうと、多くのお店が安売りセールをするのです。
その日がブラックフライデーです。
ブラックフライデーと言っても、実際は金曜日からその翌週の月曜日までの4日間はセール期間となりますので、決してブラックフライデーのみがセールの日、というわけではありません。
ニューヨークの株価が大暴落した1929年のブラックマンデーなら聞いたことがあるけれど、ブラックフライデーはよく分からない、という人もいるかもしれませんね。
ここではブラックフライデーについて説明します。

ブラックフライデーの特徴1『ブラックフライデーの成り立ち』
そもそも、ブラックフライデーはいつから存在するのでしょうか。
それを知るためには、感謝祭であるサンクスギビングがいつから11月の第4木曜日になったのかということを知らなければなりません。
かつてアメリカでは、アメリカの大統領が大統領宣言といった形で不定期にサンクスギビングが始まり、19世紀ごろからは州知事が知事の権限としてサンクスギビングを設定していました。
州知事の権限ということで、もちろん州によってサンクスギビングがいつか、違ったのです。
この州ごとによって違うサンクスギビングを全米で統一した人物が、アメリカ合衆国第16代大統領リンカーンでした。
南北戦争を知っていますか?
南北戦争によってアメリカは2つに分裂する危機を迎えていました。
そのためリンカーンは、国家としての団結力を取り戻すためにサンクスギビングを連邦休暇と定め、それを11月最後の木曜日と制定したのです。
そのためにサンクスギビングは、遠くに住む親戚なども集まり、家族の絆を深め合うのです。
その決定にさらなる変化を加えたのが第26代大統領、フランクリン・ルーズベルトでした。
まだ世界恐慌の煽りをくらい、まだ経済が復活していない状態において、ルーズベルトはサンクスギビングを1週間早めたのです。
しかし、まだこの時点では16州がそれに同意しておらず、最終的に1941年になってから、正式にサンクスギビングが11月の第4木曜日と決まりました。
そして、その翌日の第4金曜日がブラックフライデーと言われるのです。

ブラックフライデーの特徴2『なぜブラックなのか』
サンクスギビングの翌日のこの金曜日は、サンクスギビング商品の一掃セールや在庫一掃セールが行われるため、店舗は収入を期待して開店時間を早めるなどの工夫を行います。
それならば、なぜ「ブラック」というのでしょうか?
サンクスギビングは連邦休暇ですが、ブラックフライデーは連邦休暇ではありません。
ブラックフライデーという言葉は1961年、フィラデルフィアで使われるようになり、1975年には全米に広まるようになりました。
名付けの親はフィラデルフィアの警察官だと言われています。
開店やセールを待つ人で街中が人で溢れ、警察官としては仕事が増えるために「真っ暗な金曜日」としてブラックフライデーという言葉を使い出しました。
しかし、1961年と言えば公民権運動真っ只中です。そのためにブラックという言葉が用いられたブラックフライデーという表現は当初は嫌がれ、ビッグフライデーなどという言葉が出回りました。
しかし一般的にブラックフライデーという言葉が流行り、フィラデルフィアが「黒字になるからブラックフライデー」という解釈を行なったことにより、ブラックフライデーは良い意味で使われるようになったのです。

ブラックフライデーの特徴3『他の国への影響』
ブラックフライデーには普段絶対にセールを行わないような店舗も一掃セールを行うため、人々は10月頃から買い物リストを作り、買い物に繰り出すのです。
ブラックフライデーには商品が半額近くになることもあり、アメリカでは1年間の売上の役4割がブラックフライデーに出るとも言われています。そのため、ブラックフライデーは経済には大きな影響を与えています。
そんなブラックフライデーは、アメリカ以外の国にも影響を与えています。
例えばアメリカの隣の国、カナダのサンクスギビングはアメリカのそれとは違い、10月の第2月曜日です。
しかし、ブラックフライデーになると国境を越えて買い物に行く人が増えたため、カナダでも11月の第4金曜日にはブラックフライデーとして、セールが行われるようになりました。
また、近年はインターネットの普及により、海外からでもブラックフライデーに便乗し、様々なものを安く購入することができるようになりました。
ブラックフライデーにはアマゾンやウォールマートなどもセールを行うため、世界各地でショッピングが行われています。
ブラックフライデーは他国の店舗にもセールを実施させるという影響力のみならず、インターネットの普及によって世界各地に影響を与えているのです。

1. ブラックフライデーの成り立ち
2. なぜブラックなのか?
3. 他の国への影響
いかがでしょうか。インターネットの普及も手伝い、今ではブラックフライデーは世界的な一掃セールの日と言っても過言ではありません。
ただし、そのような騒ぎに乗じたトラブルも多く発生しています。
盗みや暴動も起こるため、警察官は1961年当初と同様、忙しい日を送っています。
もしもこの時期、特にアメリカに行く場合は、治安などにも気をつけなければなりません。
日本の一掃セールとは少なからず規模が違うということを踏まえ、安全第一で行動しましょう。
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