メルボルンは世界で最も住みやすい都市ランキング1位!
「世界で最も住みやすい都市」ランキングというのを聞いたことがありますか?「安定性」「文化と環境」「教育」「医療」「都市整備」などを基準に選ばれています。
オーストラリアからは毎年いくつもの都市が選ばれているんですよ。その中でもメルボルンは何度も堂々の1位を獲得しているのは知っていましたか?
私は実際メルボルン住んでみて本当に住みやすいところだと思います。特に思う理由は多様性を受け入れる点と他者への思いやりです。
こちらの人たちは小さいころから異文化教育をしっかり受けていて、違いを認め合いながらも自分の意見をしっかり言えるように育てられています。そしてチャリティや人助けの重要性をしっかりと学びます。
そんな世界に誇る教育システムをもつメルボルンのごく普通の公立小学校の生活をのぞいてみましょう。「住みやすい都市」を作り出すヒントがいろいろ隠されているはずです。

『ケアやチャリティへの心をはぐくむ仕組み』
【プレップと6年生のバディシステム】
メルボルンの小学校はプレップという1年生予備学年から始まり、7年間小学校に通います。日本で言う幼稚園・保育園の年長組がプレップにあたります。
多くの小学校には「バディシステム」というものがあります。これは違う学年の生徒がペアになって年長者が年少者の面倒をみるというものです。
5・6歳のプレップの「バディ」は12・13歳の6年生です。週に何度か集まって一緒にスポーツや工作をしたりしてします。
この「バディ」活動を通じて年長者は周りの面倒をみる責任や大切さを学びます。素敵なシステムですよね。
【みんな平等にユニフォームと指定カバンで】
移民が多いオーストラリアでは、どんな子供たちも平等に小学校に通えるようにするために制服があります。カバンも指定です。
服装を心配しないでに学校に来れるようになっているんですね。校章と学校名入りのポロシャツとズボンが基本でジャンパーやワンピースもあります。
女子は学校カラーのチェックのワンピースもあってこれがとてもかわいいんですよ。文房具も学校で支給されます。学校に置きっぱなしでシェアして使うことが多いようです。
【英語が話せない子はESL】
移民の国オーストラリアでは英語が分からなくても小学校に入れます。その場合はESLという、英語が第2外国語の人向けのプログラムでまず英語を勉強します。
授業についていける英語力が付けばそこから年齢に合ったクラスに編入できるというシステムです。ESLはEnglish as a second languageの略です。ちなみにこれは子供だけではなく、大人の移民も受けることができるんですよ。
【ゴールドコイン募金:gold coin donation】
小学校ではたくさん募金の機会があります。オーストラリアでは1$と2$がゴールドカラーのコインです。チャリティー募金がある日は前もって知らされています。たいていはそのチャリティーのテーマカラーに合わせた色を身に着けて学校に行きます。
例えばカンボジアの貧しい小学校に本を寄付するチャリティーなら、カンボジア国旗の色のリボン・靴下・アームバンドなどを付けていくんです。
それとゴールドコインを1枚。学校ではクラスの中で何のための募金なのをきちんと説明します。オーストラリアは世界でも有数のチャリティー大国でもあります。小さいころから人助けの必要性と方法を学ぶ機会が多いんですね。いい社会勉強にもなりますよね。
【全校集会では国歌を歌う】
毎週1回の全校集会では始まる時に全員立って国歌を歌います。こちらの小学校の全校集会は親の参加もOKなんですが、親もきちんと歌います。
オーストラリアやアメリカなど様々なバックグラウンドの人が集まる国では、「国歌と国旗のもとに集まる」というのが大切な原則となっているのでしょうね。
【宿泊研修は何のために行くのか】
3年生から宿泊研修が始まります。3年生・4年生は2泊3日、5年生は3泊4日、6年生は4泊5日が一般的です。
学校によっては2年生の時に学校に1泊して「お泊り体験」をする学校もあるそうです。アウトドア大国のオーストラリアは宿泊研修ももちろん外のアクティビティが中心。
チームに分かれて拾った材料でいかだを作ってレースしたり、地図と方位磁石を使って決められたポイントを通過しゴールする時間を競うオリエンテーリングなどします。
そうやって楽しくアウトドアをしながらチームワークの大切さを学んでいきます。

『異文化を学んでいく仕組み』
【第二外国語がある】
移民の多いオーストラリアでは小学校から第2外国語があります。学校によって様々ですが、どこからの移民が多い地域によって教えられている言語が違ったりします。
週1回程度の授業ですが、小学生が他国の言葉に親しめるように楽しいカリキュラムが作られています。早いうちから異文化への興味を育てていくんですね。
『意見をしっかり言えるようになる仕組み』
【教科書を使わないカリキュラム】
メルボルンの小学校では教科書は使用しません。英語や算数などの基礎科目は学習目標にそったプリントなどを使います。理科や社会は学期ごとにテーマに沿って勉強します。
これは生徒がテーマにそって自分の意見を考え、クラスメートと話し合うことによって知識を学び、それをどうやって現実社会に応用していくかに学習の重点が置かれているからです。学年によって違うテーマの時もあれば全校で同じテーマを学ぶ時もあります。
学年によって内容の難しさは違いますが、どの学年でもクラスの中でディスカッションやディベートを中心にテーマについて深く学んでいきます。
自分の意見をしっかり言えること、そしてクラスメートとの話し合いを通じて、違う意見を認め合うことのベースがこんな風に作られていくんですね。学期末には保護者を招待して勉強の成果見せてくれるのが楽しみです。

【こんな宿題が出ます】
学校や先生の方針によっても違いますが、高学年になるとプロジェクトベースの宿題が増え、自分でスケジュールを立ててやることになります。
何かのテーマについて好きな方法で調べて、好きな方法でプレゼンテーションを作り提出するというスタイルです。
手描きのイラストでポスターを作ってまとめる子もいれば、大人顔負けのパワーポイントのプレゼンテーションを作る子もいますよ。
出来上がった宿題は先生からのチェックが入りますが、重点的にチェックされるのはどこかから引用してきたコメントではなく、きちんと自分の言葉で自分の意見が書かれているか、というところだそうです。
『違っててもいいから居心地がいい』
近年のオーストラリアでは国民の4人に1人がオーストラリア以外の国のパスポートも持っているそうです。そんな他民族国家の小学校では、お互いを認め合いつつ自分の意見がしっかり言える教育が行われているんですね。
小さい頃からのそんな教育の成果が「世界で一番住みやすい都市」を基礎となっているのではないでしょうか。
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